いただいた手紙 より
 

これは、1989年、港区役所での「平和祈念コンサート」の演奏(シタール辰野基康 エスラージ向後隆 タブラ逆瀬川建治)でいただいた感想です(匿名)

 昨日、インドの音楽を聴いた。
 シタールの響き 平和祈念のコンサート会場には、原爆被爆展の写真が展示されていた。
 平和は誰もが願い、あの悲しい出来事が、もう一度あってはならないとそう思っている。
 シタールの響きはインドの音楽、そして平和。音楽には国境がない。人間の作った境界線をこえて私達の心に響きます。
 音楽を聴いていると、平和ってそれほどむずかしいものではなく、遠い異国のものが身近になってきます。
 港区に住んでいると、日常の生活の中に、外国の人々が共に暮らしています。街を歩いていても、スーパーでも、銭湯でさえも、普段着で生活しています。
 百年かかっても、その人達がパスポートを持たずに暮らせたら良いと思います。
 通行手形がなくても、日本がひとつになって、どこへでも行ける事が当然のようになったように、国境なんて人間が作った境界がなくなる日、シタールの響きは異国のものでなく、地球のある地方の音楽となるでしょう。
 もしかしたら、今、本当はそうなっているのでしょう。平凡な一市民の心には、平和っていうことは、政治より、一歩先を歩いているのかもしれない。

 あの若い辰野さんたちがインドで学んで、港区役所のロビーで演奏し、私達が それに拍手している。
 それは、平和な姿といえるのでしょう。

 忘れてならないものは沢山あり、目をむけないものも沢山あると思いますが、とりあえず、町の中の外国の人達とも仲良く暮らしていきたいと思いました。