演奏会での印象とか・・・いろいろ

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2001年  9月


9月

9月17日 「NYの出来事 そしてパフォーマンス

 先日のNYの世界貿易センタービルの出来事は凄かったですね。
 夜、なにげなく、ふっとテレビをつけたら、もう大騒ぎで、思わず釘付けになってしまいました。「ハイジャックされたのは11機です!!」だなんて言うもんだから、「えっ!!まだ、どっかにぶつかるの?核兵器関係の施設がダメージ受けて、プログラムが暴走して、一瞬のうちに世界中が核戦争になったらどうしよう!!」なんて、かなり本気で心配していました。

 もちろん、核保有国は、兵器管理に対して、何重にも安全装置をかけているのでしょう。
 ただ、人間、本当に思いもよらないミスをしたり見落としをするもんです。
 昔プログラマー(見習程度でしたが)をやっていた私としては、大きく複雑なシステムになればなるほど、バグ(プログラムのミス)が出やすいものだと、直感的に感じています。 

テクノロジーの申し子みたいなインターネットが、色々な意味で核兵器の時代のテクノロジーの暴発に対して、セキュリティ・システムとして機能していってくれることを願うばかりです。

 とりあえず私の心配は杞憂に終わり、核爆弾が世界中を飛び交う事態はまぬがれました。
 ただ、翌日からの「ビルに突入する飛行機・崩れ落ちるビル」の映像が繰り返し放映され、その時は「ひどいことだ!!」と目を奪われましたが、だんだん憂鬱な気分になってきました。
 繰り返し見ることで、まるで「ハリウッド映画」を鑑賞しているような錯覚にとらわれてしまう...でも現実には、あのビルの中には多くの生身の人間がいる!!!のです

他にも、アメリカ国防省、そして郊外に墜落した旅客機....なんと多くの方が亡くなられたのでしょう!!あまりにも軽く扱われる、人の生命....
そして、それに対しては「報復!!」の道しかないんでしょうか?


そんな気分で15日の'01アジア・アフリカ・ラテンアメリカ交流美術国内展「マンダラへの道」の高野るりさんのパフォーマンスで共演したんですが.....

美術展ですので、会場に早めに入って、出品作を観てまわりました。
まだ行っていないのですが、ちょうど今、横浜で現代美術の大きな催し「横浜トリエンナーレ2001」が行われていて、そちらに行く方は多いのでしょう。
でも、本当に作家がひとりの中にあるものを、個人として自発的に制作して発表する、っていいものですね。

憂鬱な気分は、突然、現実になった非現実的な画像を繰り返し観ていたことから感じたものです。
そして、作品それぞれは、「今を生きている」作家たちのものなので、そういった非現実が現実になる「予感」みたいなものをかなり含んでいるようにも感じたのです。
社会的テーマを持たない作品でも....です。

このあたりの感覚はかなり微妙なものみたいで、どうも上手く適切な言葉として書き表せないのですが...
作品を観て「癒される」とかいうのとも全然違うんですが、ともあれそこにある、人間の営みとしての何らかのものは、また現実に向かうきっかけを与えてくれたもののように思えました。

それは、正に「絵」(立体作品も含めて)の力....音楽と同様に人間の長い歴史の中で、片時も手放すことのなかった、空腹を満たすものではなくて、心を満たすもの....
多分、作家の方々は、もう本能的にその大切さを充分ご存知なんでしょう。

そして、そんな「力」は、時として現実の中でおこる理不尽な出来事に対して、「考える・感じる・こころ」を支えてくれるもの、と思います。

シンポジウムでの針生一郎さんのお話も、よかったでした。


9月10日 「茗荷谷『茶楽』での演奏会

 7日に、東京の茗荷谷にある画廊喫茶「茶楽」での演奏会がありました。
 地下鉄駅の本当にすぐ目の前のビルの地下にあるんですが、店内に入ると、もう都心の駅前ということをすっかり忘れてしまうような、落ち着いて、それでいて気さくな雰囲気が好評のところです。お店の方の人柄もあるんでしょうね。

 近々タイに帰国予定の友人のA−DOONさんとの、ジョイント・コンサートでした。
 彼は留学生として来日してから、13年....永住権も持っているということで、日本で暮らすのかな、なんて思っていたのですが。

 結構、色々なところで一緒に合奏をしましたよ。
 タイ舞踊団に混ざって地方巡業??させていただいたことも、楽しい思い出です。

 音楽聴いている時間って、そこが日本だろうがタイだろうがインドだろうが、どんな国の人と一緒だろうが、ぜんぜん関係ない、自分のこころを見つめる時間なんでしょう。
 そして、一緒に音楽を作ることって、国籍も年齢も全然関係ない、ただ、今ここで時間を共有しているものどうしの「会話」みたいなものですよね。

 それぞれのソロの演奏、そして合奏、今までやってきた即興的合奏も含めての2時間は、あっという間に過ぎていきました。
 彼が今回使った楽器は、竹製のラッナード(竹琴です)それに笛・クrゥイ(タイ語の発音を上手く書けない!!)でした。

 またタンブーラを急遽YUKARIさんにお願いしました。
 近年手がけている、シタールソロのところで、タンブーラと微妙に合わせて弾くという、試みを今回もやってみました。
 こういうのって、一見地味な演奏のわりに微妙な感覚が必要だと思うんですが、シタールも弾かれる方なので、スムーズに理解していただき、助かりました。

 でも、つかず離れずで微妙に合わせる、っていう感覚、日本的美意識??なのかな。
 未だに、日本的...ってなんなのかよく分からない部分もあるんです。
 「ミニシネマ」JIPANGUなんかで考えてはみてるんですけれど。


ところで... 

タイの音階は、12平均律とは違います。微妙な音階なんですが、計算された音階で、実際に演奏されたものは、きちんとした響きになっています。
これは、実はとっても面白く、いい響きなのですが、日常聴く音楽のほとんどは12平均律主体が多いので、一般にはあまり意識されてないみたいです。

 こういった音階の魅力は、音階そのものが既に、音楽になっているということかもしれませんね。
 最近Midiで音を作る勉強もしていますが、例えばドレミと音を並べた時、そこに音楽を感じるように、音色、音符、強弱、エフェクトなどでニュアンスを作っていくわけです。
 この曲では、「レ」のピッチを高めにとろうとか、「ミ」を少し低めにおさえて響きを柔らかくしようとかいうことは、技術的な力不足もあって私にはなかなか出来ません。
 つい、安易な方法でエフェクト処理したり、音を重ねるほうへ走ってしまいます^^;
 生楽器は、調律から音楽を作っていくという仕組みですね。
 また、人間の「のど」の調律、つまり声で音程を作ることも面白いです。
 もっとも、精度を高くするのは、楽器よりたいへんでしょうけれど。


 ちょっと専門的な話になっちゃったかなぁ??
 分かりにくかったら、ごめんなさいね。
 でも、音階を作るって、根気がいるけど、実は面白い作業なんですよ!!

9月7日茶楽のコンサートのリポートはNHKラジオ日本の英語番組'Weekend Square'
のコーナー、'Tokyo Reflections'で放送いたします。

'Weekend Square'日本国内放送時間
('Tokyo Reflections' は'Weekend Square'の頭に放送されます)

9月15日(土)    23:10−24:00    7.200MHz
9月16日(日)    15:10−16:00    11.740MHz
                                            又は15.195MHz
同16日            19:10−20:00    9.695MHz
                                            又は15.590MHz

海外向けの短波放送のゆえ、国内では状況により聞き取りにくい場合がございます。
又、上記の周波数での放送は常に行われておりませんので、放送時間までなにも受信
出来ない事もございます。ご了承くださいませ。アジア各国でも受信が可能です。
もしおよろしければ、お知り合いの方々へお知らせ下さいませ。

東南アジア

9月15日(土)    日本時間23:10−24:00    7.200MHz
9月16日(日)    日本時間15:10−16:00    11.740MHz
同16日            日本時間19:10−20:00    9.695MHz

南西アジア

9月16日(日)    日本時間15:10−16:00    15.195MHz
同16日            日本時間19:10−20:00    15.590MHz