演奏会での印象とか・・・いろいろ

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2002年  5月


5月20日

● 「来日されたインドの神々」の感想  ●

昨日、日印国交樹立50周年事業の一環のひとつで、東京のホテルオークラに隣接する大倉集古館での展示「来日されたインドの神々」を見てきました。

紀元5世紀のインドの石仏、インド家庭に置かれた神像、タイ、ミャンマー、タイ、中国、日本の様々な仏像の姿。
それを作った匠達の手・・・

長い時間をかけ、石と語り、木と語り、墨と語り、形と語り・・・・
いくら語っても語り尽くせない人間の物語、
それを、形に託していく。

官庁街の日曜日の昼下がり。
人通りもまばら。
大使館、放送局、瀟洒なホテル

その片隅で、数百年の時を刻んできた、人の手と思いで作られたもの
名もない匠達が風土に囲まれて過ごした、数知れぬ物語が息づいています。

形ある物は壊れる定め。
けれども、そこに誠実な仕事があるならば、定めを越えていつまでも受け継がれていく。

そう思えてなりませんでした。

5月26日まで
東京都港区虎ノ門2−10−3 大倉集古館 рO3−3583−0781


5月9日

● 雑 記  ●

昨日、近所のシタール弾きの友人が来ました。
演奏会が間近なのだけれど、或弦が切れてしまい、スペアーを切らしている・・・とのこと
手持ちの弦をお渡ししました。

考えれば、近所で現役のシタール演奏家が互いにいるということは、未だ、大洋に点在する島々の如くの全国の「シタール奏者人口密度」(そんなものあるかな?)からいうとかなりのものです。

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「インドの音楽は少数の人達だけでやられている気がする」
こんな指摘がありました。
確かにインドで出版される大手のCDなどは演奏者の数は限られていますよね。
伝統音楽、ということで考えれば、伝統を保持するのはそれほど多い必要はありませんし。

さて、今、この日記を書くので、中村元さんの「インド思想史」に目を通しましたが、難しいながらに色々興味深いものがあります。

よくインドは宗教の国だと言われますが、バラモン教を興したアーリヤ人はもともとヨーロッパ諸民族と同じ部族。
先住民であるドラヴィダ人を征服した後に「リグ・ヴェーダ」の宗教を成立させたらしい、とのことです。
やがて階級的区別が次第に強められ、いわゆるカースト姓が成立し、「司祭者たるバラモンは社会の指導者として祭祀・数学を独占し『人間である神』として尊崇された」そうです。

カリスマ的なものへの崇拝心があるんでしょうか。


 

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